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さんふらわあ富良野: 札幌から東京までフェリーで 18 時間

さんふらわあ富良野: 札幌から東京までフェリーで 18 時間

船の旅は忍耐と船酔いとの闘いだが、日常生活からしばらく脱したいという人は試す価値あり
Sapporo to Tokyo ferryWhen the weather is nice, the observation deck on the Sunflower Furano can be a great place to kill time.

 

飛行機は意気地なしのための乗り物である。 2 月の札幌雪まつりへの交通手段として乗車時間 16 時間の北斗星寝台列車を使った。 となれば、帰りはマゾさと非合理さで寝台列車の上を行く、乗船 18 時間の寝台フェリーに乗るしかない。

Sapporo to Tokyo ferry
Sunflower Furano
主要都市間を結ぶ交通手段として、船は比較的マイナーな今日だが、船舶会社商船三井(MOL)はレジャーと商用の旅行者向けに札幌-東京間さんふらわあフェリー を運行している。 夜間運行する巨大な船体にはトラックや貨物用の大きい倉庫があるが、上階のデッキは低予算のクルーズ船のような趣がある。 船には客室、ゲームセンター、男女別のバスルーム、展望台、複数のTV ルーム、子供用の遊び場、そしてレストランが備えられている。

このフェリーは、本州へ酪農製品を運ぶトラック運転手や車を北海道へ運ぶ人々に利用されているが、特定の条件さえ合えば一般人にとってもリーズナブルな移動手段である。 それから、フェリーの旅は冒険だ。

札幌から東京…とはいえない

まず最初に知っておくべきことは、MOL の「札幌から東京」という宣伝文句は、実は 100% 真実ではないということである。 船は、北海道の港町苫小牧を発ち、茨城県の港町大洗に到着する。 これらの街は両方とも、記載された目的地まで 実は1 時間以上かかるのだ。

札幌から苫小牧へは、札幌駅を午後 3 時に出発する路線バス(1,270 円)で約 2 時間。 港はJR 苫小牧駅から遠いので、タクシー以外では、バスが一番簡単で安い交通手段となる。 しかし、難点はこのバスは途中多くの停留所に停まること。時間があまりにも長くかかりすぎて、筆者が乗った時は暴動寸前だった。

フェリー内にもレストランやスナックを売店が備えられているが、札幌または苫小牧フェリー・ターミナル内のコンビニで食べ物を買っておくことをお勧めする。 何箇所か熱湯を使える場所もあるので、インスタントラーメンを買っておくのもいいかもしれない。 船内には多くの自動販売機が設置されているので、飲み物については心配は要らない。

部屋タイプ別にみる社会的地位


寝台列車には、家族連れや列車狂というファンがいるのに対し、フェリーは明らかに安っぽい。 乗船客のうち、約 85% が男性だ。 大部分の乗客はトラック運転手だが、船舶会社は彼らをレジャー客からできるだけ分離しようとしようと努力しているようだ。 例えば、トラック運転手には専用の低価格食堂が用意されているので、彼らはメインレストランには現れない。 だがトラック運転手はラウンジ、バスルーム、ゲームルームにはたむろしていた。

筆者が乗船したときは、ほとんどの客が退職者であった。 子供連れの家族も数組おり、子供たちはゲームルームをうろついたり、または 18 時間ずっと漫画図書館に座っていた。

Sapporo to Tokyo ferry
The economy room.
船上ではほとんどの時間を寝室で過ごすので、船の旅が「ロマンチック・クルーズ」か「難民キャンプ」になるか、宿泊設備の選択によって差が出てくる。 エコノミー・ルーム(オフシーズン 8,500円、ピークシーズン 11,000 円)は基本的に、畳部屋の広いオープンスペースの、毛布や枕などが積まれている。 この部屋は、ちょうど幼稚園のお昼寝時間と赤十字のハリケーン・シェルターをミックスしたような感じだ。 ほとんどのトラック運転手は、TV が常についてるこの部屋で、眠り、食べ、タバコを吸う。 カジュアル・ルーム(オフシーズン 11,000円、ピークシーズン 14,000 円)は、エコノミー・ルームのグレードアップ版。オープンルームだが、個人用のベッドがある。 この部屋は、大学生に人気だ。

最低限の過ごしやすさを求めた私は、スタンダード・ルーム(オフシーズン 14,500円、ピークシーズン 18,000円)を選んだ。これは、シンプルなホテルスイートといったところ。 各部屋には2 組の二段ベッドがある。 シングルで予約すれば一室に 1 人で泊まることができるが、部屋の他のベッドの 75% 分を支払わなければならない。 幸い、オフシーズン中は他の 1 つ分のベッド料金を支払うだけで済む。 だが、スタンダード・ルームは友人や家族と共用するのでなければ経済的利点はない。 他のベッド料金を払ってしまえば、電車か飛行機に乗るのと変わらなくなってしまう。

しかし、エコノミー・ルームと比べると、スタンダード・ルームはかなり贅沢な感じがする。洗面台、小さいソファとテーブル、海の見える窓、そしてランダムに東北の県からのデジタル放送を散発的に受信する TV/DVD プレーヤーも付いている。 寅さん映画やマイナーな新作を観たい場合は、船上で DVD を借りることもできる。

プライベート・ルームの場合は睡眠を妨げるものはほとんどない。 船のエンジン音が少々するものの、耳栓を付ければ気にならない程度であり、揺れも少ない。

誰が実際に泊まるのかは定かではないが、ラグジャリー・デラックス・ルームは、ホテル並みの宿泊施設である(オフシーズン 21,500 円、ピークシーズン 26,000 円)。バスルームとトイレ、そして本物のベッド付きだ。 畳と布団の和室スタイルのデラックス・ルームもある。 この部屋を選んだリッチな旅行者は、MOLから無料レストラン・クーポンが渡される。

船酔いしていないときにすること


さんふらわあフェリーは非常に大きいので、小さい船体ほどは揺れない。 しかし、私が乗船したときは、強風によって船は急角度でゆっくりと揺れた。 船酔いしやすい人は、酔い止め薬を持参するか、船上の土産品店で買うといいだろう。

レストランで食事をしたり、展望デッキでかすみがかった東北の景色をぼーっと眺めたりする以外には、船上ですることはあまりない。 ゲームセンターには、クレーンゲームやマージャンゲーム機しかない。 あとは、小さい漫画図書館、一般のテレビ番組や映画(私の時は「男はつらいよ」第一弾だった)が放映されている TV が数台あるだけである。

酒好きの場合は、北斗星号同様、酒を飲むことが最高の暇つぶしだ。 バーはないので、自動販売機がバーテン代わりである。 トラック着の若いヤンキートラック運転手なら第 3 ビールをたくさん買うところだが、ここはやはり北海道の旅なのでサッポロ・クラシックを選びたい。 もっと本気で飲みたい場合は、土産品店で氷と小さいボトルの蒸留酒を買おう。 大酒飲みは船酔いとは無縁かもしれないが、万が一のためにメインエリアのトイレには嘔吐用の小さい陶器があることを書き記しておく。

船上でくつろぐには、お風呂に入るのも良い。 浴室は、低価格のホテルにあるような、脱衣室、大浴場、座るタイプのシャワーがあった。 水はレジオネラ症の予防処理をされていることを知ってひと安心。 石鹸とシャンプーは用意されており、浴槽は十分温かい。 唯一の問題は、浴槽の中に座っていると船の揺れによって潮溜りにいるような気分になることだ。 また、トラック運転手は「浴槽に入る前にシャワーを浴びる」規則を真剣に守っていないようである。

Sapporo to Tokyo ferry
The bunk bed of a standard room.
日中は、多くの乗客がラウンジに集合する。 窓の前に 20 ほどの快適な椅子があり、マッサージ・チェアも並ぶ。 多くの女性は編み物をしていた。 夜は景色はほとんど見えないが、朝は福島県の一部が見える。 問題は、景色が 1 分に約 2~3 センチ程しか移動しないこと。 景色をもっとよく見たい場合はデッキに出ることも可能だ。爽やかな風が吹かれるか、寒風に当てられるかはお天気次第。

東京は尚遠い


さんふらわあ富良野は大洗に午後 2 時半頃到着するが、東京への旅はそれでは終わらない。 大洗は東京ではないからだ。

まず第一ステップとして簡単な方法は、午後 2 時 40 分発 の水戸行きのバスに乗ることだ(600 円)。 私は代わりにタクシーを呼び、JR 大洗駅まで行った(740 円)。駅は一見古風だが、改札は電子式。 それから私は可愛いらしい「ワンマン電車」に乗って水戸駅まで行き(310 円)、そこから上野行きの急行列車に乗った(3,520 円)。 水戸駅から上野駅まではバスがあるが、バスはフェリーの到着時間にいつも合わない。

この旅にはそれなりの価値があったのだろうか?

個人的には、飛行機を使わずに北海道を見ようという欲求のためだけにこの船に乗った。 しかし他の乗客にとって、フェリーは果して魅力的な交通手段だろうか?

筆者はビールを飲みながら弁当を食べていた 2 人の中年女性に、なぜフェリーを選んだのか聞いてみた。 ウサミ・カズミさんとスナマさん姉妹は「私達は浜松から読売ツアーで他の 27 人と一緒に来ました。 2 人とも退職しているので、時間はたっぷりありますし、 料金がとにかくとても安かったので。」と説明してくれた。

20 代のスガワラ・ ナカヤさんも、この「便利さよりも安さ」論に同意した。 「札幌に行きたかったのですが、時間はあっても、お金がありませんでした。 それでカジュアル・ルームを選びました。」

全体的に見ると、プライベート・ルームに泊まり、大洗から東京までは最速の交通機関を使った私の場合、合計 26,870 円かかった。25,590 円の北斗星チケットよりも高い。 しかし、もう 1 人同行者がいれば 20,340 円、 エコノミー・ルームで我慢すれば、  わずか 14,340 円で済んだことになる。 このように、フェリーの旅は、適当に犠牲を払えば安くなり得る。

MOL のさんふらわあフェリーは比較的快適であり、宿泊設備そのものについては特に不満はないが、支払った料金を考えると、このフェリーは交通手段としてはお勧めできない。 まず、苫小牧までと大洗からの移動のために、フェリー代以外の料金 5,000 円、移動時間 4 時間を追加しなければならない。 船内には寝台列車のようなロマンチックな魅力はないし、穏やかな揺れも時には不快に感じる。 さらに、内耳の混乱によって、帰宅後少なくとも 2 日間はまだ揺れる船上にいるような感じがした。

個人的な感想としては、あえて 18 時間日常から脱したいという人以外には、フェリーの旅はお勧めできない。 携帯電話の受信はひどい上、フェリーの雰囲気からか、他の乗客と積極的に友達になろうという気も沸いてこない。 このフェリーは、孤独を味わうには完璧な交通手段だが、それだけのものなのかもしれない。
未公開
W. David Marx は、 CNNGo 東京編集者である。 アメリカ合衆国南部出身の David は、ニューイングランド州で東アジア学を学び、アメリカ南東部で雑誌、Tokion の編集者として働いた経験を持つ。 2003 年に東京に移り住んだ後、消費者行動学の学位を取得。広告業での経歴や、GQ、Brutus、Weekly Diamond、Nylon といった雑誌のフリーランスライターとして経験を積む。その他にも、数々のニッチブログを創設したり、ニューヨークのインディーズレーベルから 2 枚のアルバムを発売するなど幅広く活動している。
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