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トイレの音姫

トイレの音姫

日本の玩具メーカーが作ったトイレの音消しは、音に敏感な日本人女性の美意識を保つのに役立っている
音姫ウォシュレットのコントロールパネルに付いた音姫で恥ずかしさ知らず。

大阪に拠点を置く玩具メーカー ラナが、トイレ流水音機エコヒメの販売を開始してからちょうど 1 年。 この携帯ガジェットは、通常日本国内の公衆トイレに設置されているトイレの「音消し」に便利な代替用品として誕生した。 

価格 1,260 円の同ガジェットは昨年だけで 110,000 個を売り上げている。ということで、日本のユニークなトイレの文化と歴史についてご紹介しよう。 

音消しの壷
岡山県やかげ郷土美術館収蔵の音消しの壷。

女性のトイレ文化の歴史

排泄時に音を隠すという行為は随分昔から存在していた。ノイズメーカーの原型とも言える装置の誕生は 19 世紀にまで遡る。 その初期の姿とも言えるのが、「音消しの壷」と呼ばれる水を張った大きな青銅製の壷。 壷の上に付いている栓を抜くと龍の口から水が流れ出し、排泄時の音がかき消される仕組みになっている。 だが、当時この装置が使えたのは身分の高い人に限られていた。 

それから 20 世紀に入り、水を 2 回( 1 回目は音消し用)流すという簡単な方法を日本人女性は発見する。 しかし問題は水の使用量の増加だ。そこで、トイレメーカーTotoは、1988 年に音姫を開発した。同設備は日本国内の女性用トイレの壁やハイテクトイレのコントロールパネルに設置されており、 水洗音を発生させることで排泄時の音をかき消してくれる。 

 

壁設置型音姫
女性用トイレの壁に設置された音姫。

美の維持

文化的観点から、トイレの音消しは非常に重要な役割を果たしている(日本以外で同種の装置が発売されているのは韓国だけ)。 トイレ研究家の山路茂則氏は、3 冊の著書の中でなぜ日本人女性は排泄音を他人に聞かれることを恥ずかしく思うのかなど、「音に神経質な日本人」の本質について言及している。 山路氏によるとトイレ使用時の羞恥心から逃れることで、美意識が維持できると言うのである。

そして 1 年前にラナが発売したポケットサイズバージョンの登場により、 21 世紀のノイズメーカーは新たな時代を迎えた。 音消しガジェットというニッチ市場で好調な売れ行きを見せた同商品に遅れをとるまいと他社もこの波に乗ったのである。 

ローズエコヒメ
2009 年 7 月に発売開始となったローズエコヒメ。
携帯ストラップ型音消し

ラナの広報担当者、フジオカさんによると、エコフレンドリーな商品であることを強調するためにエコヒメと名付けられたそうだ。エコヒメのユニークな点は環境だけでなくファッションにも注目していることです。」と説明する。 他の可愛いアクセサリーと一緒にストラップとして携帯に付けられる同商品は、外観からはその真の目的が分からないほど非常に上手くカモフラージュされている。

「あの」羞恥心を消しつつ、水道使用量に配慮したお洒落な商品。 こんなに素晴らしい商品が他にあるだろうか? 

アメリカ人の Daniel Krieger は現在大阪に住みながらライター兼英語講師として働いている。 主に言語と日本に注目したエッセイを執筆している。

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