日曜日の朝、La Fabrique が最後となる営業に終わりを告げた。
フランスをイメージした同クラブの閉店は、多くが巨大なディスカウントショップへと姿を変える渋谷の閉店劇の中でも最新の事例と言えるだろう。
LA Fabrique で開催された閉店パーティー Solid は、8 年間続いた同クラブのレギュラーパーティーだ。 シカゴハウスサウンドを東京にもたらした同パーティーは、世界屈指のパーティーとして海外でも知られている。
だが LA Fabrique の閉店と共に Solid は終わりを告げ、渋谷の文化的要素もまた 1 つ消えてしまったことになる。
変わり行く渋谷の姿を見るには上記写真をクリック。

「今こそ東京で何か新しいことを始める時なのです。(以下、原文英語)」と Solid のプロデューサーで DJ も務めていたマーシャル・ボードマン氏が話す。 「La Fabrique が無ければ Solid は存在しませんし、Solid が無ければ La Fabrique の発展もなかったでしょう。」
ボードマン氏のパートナー、イシカワ・カイ氏は同クラブ閉店は経済と繋がりがあるとしながら、 「渋谷が 若者の街になる前は、La Fabrique は心から音楽を愛する大人が集うクラブとして様々な成功を収めていました。」と話す。
「けれど渋谷の文化やお金の流れについて話したときに、不景気の煽りも受け渋谷文化の衰退は目に見えていました。」と付け加えた。
1955 年の渋谷のスクランブル交差点。

昼と夜
La Fabrique の閉店は、東京のクラブ好きに愛された Yellow や Maniac Love の閉店と同様大きなインパクトがあったが、渋谷の衰退を物語るのはナイトライフの変化だけではない。
ちょうど 2 ヶ月前に終わりを告げた HMV の閉店は、変貌を遂げる渋谷のなかでも特に大きな出来事であったと言えるだろう。 これに対し、W. David Marx はNeojaponismeのなかで、
「HMV の閉店をそこまで大々的に捉える必要はないかもしれないが、この閉店劇は 2010 年の若者を対象にした小売業者の波乱を表す特徴的事例と言えるのではないだろうか。 リーズナブルな価格を魅力とする H&M 、Forever21、渋谷 109 といった店舗は、この波を上手く乗り切り事ができるかもしれないが、新時代を告げるブランド店の登場よりも渋谷を象徴する店舗の消滅が近い将来さらに起こることを想定しておくべきだろう。」と指摘している。
ちなみに HMV の跡地には、アメリカの低価格衣料チェーン店 Forever 21 が来年に登場する。
とは言うものの、HMV が閉店の第一号店というわけではない。 センター街から道玄坂一帯は10 年以上も前から音楽や遺品コレクターが土曜の午後に足を運ぶことで知られているが、そういった専門店のほとんどはここ数年間のうちに閉店や移転を道を辿っている。
不況の煽りを受けた渋谷のシンボル的店舗 HMV。

渋谷文化の破滅に潜むインターネット世代
2005 年、道玄坂はハウスやテクノ DJ たちのドル箱だった。 しかし、今ではその時代を物語ることなくほとんどの店が姿を消している。 今では見ることもなくなったレコード店 Cisco の社員は、「今の時代、インターネットで販売した方がずっと安いのです。」と、閉店の経緯を説明してくれた。
同エリアでは 2 年前にも、ロックバンドの思い出の品や他では手に入らない珍しい品物を取り扱う専門店、音楽ストアが多数入店していたパルコが閉店している。
「移転したくはなかったのですが、賃貸料が値上がりし移転せざるおえなくなりました。」と、 ある店のオーナーは話す。
現在、パルコの跡地には古本販売を行う大手ディスカウントチェーンのブックオフが渋谷最大級の店舗として店を構えている。 かつて総合複合施設 Bunkamuraの反対側に位置していた文化や文学の巨大図書館とでも言うべき Book 1st は、小さな店舗へと場所を変え、代わりにアメリカの衣料チェーン店 H&M が巨大跡地に進出を果たした。
その日以来渋谷で特定の書籍を探し求めるのは、好きな音楽を探すのと同じくらい無駄足に終わってしまうようになったのだ。
渋谷の中心街にはネオンが灯っているものの、専門店、バー、クラブが安い店に置き換わっているように渋谷の文化は衰退している。人気の秘密

近年見られる安い飲み屋の増加も渋谷のナイトライフの変貌ぶりを表している良い例だろう。
センター街に店を構えるTasu Ichiは 300 円でビールを提供しており、安さを求める顧客の人気を集めている。 早い時間帯であれば、クラブに足を運ぶ人はほとんどいないのに対し、居酒屋は満員状態だ。
とは言うものの、 DJ たちが渋谷から完全に姿を消したわけではない。彼らは少し場所を変えたに過ぎないのだ。 青山に新しいナイトクラブが登場すれば、 Solid の DJ たちもチープスタイルの新しいイベントを求め場所を移動するのみである。
「ちょうどNosと言うクラブで新たなパーティーを始めたところです。」とボードマン氏が話す。
「パーティー名はNos Defで、レゲエやブラジリアン、サルサ、ヒップホップ、キューバの音楽やナイジェリア、ダブステップを取り入れた音楽を流しており、間もなく東京で新たなハウスイベントを開催する予定です。 Nos Def はチャージ料金が無いうえ、ドリンク料金も安いのが魅力です。 近年の消費者動向に沿った形になっているのですよ。」
一方センター街では、今では消え去ったお気に入りのショップやクラブを捜し求める顧客に変わり、Jersey Shore を彷彿させる渋谷の若者が、格安ショップやナイトライフを楽しむべく街に溢れているのだ。
他の写真を見るには上記写真をクリック。
Nos Def のイベント詳細はhttp://nos-def.blogspot.com/にて。
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