プライド栄光への絆: アメフトに情熱を注ぐ日本の高校生
元内閣総理大臣や駐日アメリカ大使まで釘付けにするチーム USA と対戦する日本のカメリアボウル
By Lisa Jardine 19 October, 2010アメリカ人に日本でアメリカンフットボールをしていると話したら、今年のスポーツプログラムに相撲チームを編成したイェール大学の話でも聞いたかのような衝撃をうけることだろう。
実際のところ、日本全国の高校生がアメリカンフットボールに情熱を注いでいる事実はあまり知られていない。
アメフトに熱い注目が集まる場所と言えば、映画『プライド栄光への絆』に出てくるような郊外の小さな町というのがお決まりのパターンである。

チーム USA に向けた志
昨シーズンのカメリアボウルにおいて MVP に輝いた 18 歳の神田龍斗選手は白山高等学校(横浜)でランニングバックとして活躍している。高校生活最後の試合に向けた意気込みや、アメフトを始めたきっかけを伺うべく筆者は神田選手にインタビューを行った。
「まず、かっこいいなと思ったのがきっかけです。自分自身が体育会系だったこともありアメフトチームに入りました。(以下、原文英語)」と神田選手は話す。
「初めてアメリカ人チームと対戦したときは、とにかく体の大きさの違いに圧倒されて、なかなかオフェンスを阻止することができませんでした。」
結果、関東学生アメリカンフットボール連盟主催のカメリアボウルにおいて、日本チームは 61 対 0 という惨敗を帰する。 だが日本人選手が直ぐに諦めたわけではない。
同連盟の理事を務める平澤氏は、日本におけるアメフトの発展に自信をうかがわせながら、
「アメリカンフットボールはアメリカ文化から切り離すことのできない重要なスポーツですが、アメリカでしか発展できないわけではありません。」と話してくれた。
VIP ファン
「毎年開催されるカメリアボウルは 2 国間の文化交流を図る素晴らしいチャンスです。アメリカ人選手と戦うことで、より大きく速く、強い選手になれるのです。」と平澤氏は話す。
さて、川崎球場で開催された同試合には VIP ファンも多く足を運んでいる。今年のカメリアボウルには、在日米陸軍司令官 Francis J. Wiercinski 氏、第 7 艦隊及び第 5 空母打撃群大将 Kevin Donegan 氏、John Roos 駐日大使、元内閣総理大臣麻生太郎氏らが観戦に訪れた。
日本にアメリカンフットボールがもたらされたのは 1934 年。ケンタッキー州出身の宣教師ポール・ラッシュ氏が東京の 3 大学に初のフットボールチームを結成したのが始まりである。
この後、第 2 次世界大戦の煽りを受け一時停止に追い込まれまで、着実に人気を勝ち得ていく。 そして戦後、再来日を果たしたラッシュ氏の手により、再びアメフト熱が高まりを見せるのだ。 現在、日本全国には 15,000 名以上もの高校生選手が活躍しており、チーム数は 400 チーム以上。うち、関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA)に加盟しているのは 100 チームほどである。
神奈川県の白山高等学校でコーチを務める真祥先生は、「大学に進学しても 10 人に 1 人の高校生選手がアメフトを続けているようです。」と話してくれた。

オールスターナショナルチーム
9 月か ら1 月まで開催される秋季リーグ戦では、日本チームはその他の日本チームと戦い、国内のアメリカンスクールに通うアメリカ人選手は国防省関連の学校と試合を行うのが一般的な流れ。
リーグ戦は調布のアミノバイタルフィールド及び川崎の川崎球場で開催され、入場料金は一般 1,200 円、高校生 500 円、中学生以下が無料である。また外国人観戦者は 10 月 9 日と 16 日のみ入場料金が無料となる。
KCFA にはレギュラーシーズンに 8 大学が各 7 試合を戦う 5 つのリーグ戦があり、 優勝チームは準決勝で北海道と東北エリアチームと対戦する。
準決勝戦突破チームはライスボウルへの切符を懸け、 12 月 19 日に大阪で開催される甲子園ボウルで火花を散らすのだ。社会人選手権の優勝チーム相手に戦うライスボウルは、まさに日本版スーパーボウル。毎年 1 月 3 日に東京ドーム(電話: 03-3450- 9360)で開催されている。
ちなみに、アメリカと日本チームのスター選手は 3 月に開催されるカメリアボールで対決する。
チームジャパンに歩み寄るチーム USA のキャプテンアメフト人生

プロ選手のシーズン中、Minnesota Vikings の試合を見ながらランニングバックの動きを勉強する神田選手は、実は Brett Favre 選手のファンなのだそう。
「幾度の壁にも絶対に諦めない強い信念に惹かれます。」と神田選手は話す。
来年 3 月に高校を卒業する神田選手が高校生チームの一員として活躍するのもあとわずか。 だからと言ってアメフトを辞める訳ではない。
「アメフトなしの人生なんて考えられません。 大学でも活躍して有名な選手になりたいですね。」と神田選手は話してくれた。
これに対し、神田選手のコーチを務める 26 歳の森川先生も、「卒業後、今度は大学生選手として間違いなく活躍してくれることでしょう。」と太鼓判を押している。
試合前に何か験担ぎがあるかと尋ねられた神田選手は、「自分がベストだと 5 回言い聞かせ、それから神様にお祈りします。」 と教えてくれた。
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