クエンティン・タランティーノ監督の映画「キル・ビル Vol.1」のクライマックス、 息を呑む殺陣シーンで 仮面で顔を覆ったピザ中毒の成らず者 Miki が ユマ・サーマンに最初に斬りかかっていく。 映画ではあっさり殺されてしまうが、カメラの裏、仮面の下に隠された本当の島口氏は製作の中心を担っていた。
島口氏は国内で数少ない殺陣師の中の 1 人であり、映画では殺陣指導、振付も手がけた。 俳優兼武術家であり、殺陣パフォーマンス集団剱伎衆かむゐの主宰も務めている。 アマチュア、プロのために殺陣振付指導されている、サムライ道場で話を伺った。
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CNNGo: どういう契機で殺陣に関わるようになったのですか?
島口哲朗: 実は元々作家になりたかったんです。 日本大学で脚本を勉強していた時、殺陣を学ぶ「殺陣同志会」に参加しました。 最初は新入生が 35 人いたのですが、 練習がとても厳しくて、最後には僕 1 人しか残りませんでした。
CNNGo: 「ペンは剣よりも強し」ではなかったわけですね(笑)。
島口: プロデビューは、1996 年 2 月の大歌舞伎「熊谷陣屋」でした。 同年、スーパー歌舞伎「カグヤ」にも出演しました。 スーパー歌舞伎とは、若い観客を魅了するために現代風にアレンジしたものです。 2 ヶ月の間に 88 回出演しました。
CNNGo: では、島口さんは最初は歌舞伎の世界にいらしたのですね。
島口: そうです。 歌舞伎役者の市川右近さんの弟子にならないかとお誘いも受けました。 しかし、お断りしました。 私自身の独自のスタイルを追求したいと思ったからです。
CNNGo: どういうことですか?
島口: 殺陣に強い関心を持っていましたが、伝統に縛られたくなかったのです。 殺陣の仕事は裏方という見方が通常です。 主役の俳優さんを引き立てる役割という意味です。 しかし、殺陣はそれ以上に評価されるべきだと感じたのです。 1998 年に殺陣パフォーマンス集団「剱伎衆かむゐ」を結成しました。 趣旨は、殺陣を誰もが認めるアートに格上げし、単独でも人々が楽しめるようなパフォーフォーマンス性も兼ねたものに表現することでした。
CNNGo: では、ご自身を単に殺陣師とは思われていないのですね。
島口: 私は自分のことを、「ソードアーティスト」(ソード:刀)と読んでいます。 実演から剣踊まで、幅広いパフォーマンススタイルに注目したいと以前から思っていました。
CNNGo: ご自身の取り組みについてもう少し詳しく教えていただけますか?
島口: 例えば、 私の刀が敵の頭を当たると同時に、向かってくる刀を鍔でかわすシーンを演出することができます。 全てのことが瞬時に起こります。もちろん最後の最後に寸止めします。相手を全力で叩くことはありません。 ですが、殺陣師は通常、このように実際に刀が触れるように演出はしません。 でも、私達はそういった動きも取り入れます。 それが私達の演出と他の演出との違いです。 かむゐのメンバーは、通常の殺陣師とは異なるような立ち回りもできるように稽古しています。
CNNGo: 海外での仕事として一番よく知られているのは、ご自身が指導された「キル・ビル」の立ち回りですね。特にルーシー・リューとユマ・サーマンのシーンが有名ですね。 クエンティン・タランティーノ監督とお仕事をされた経験はいかがでしたか?
島口: 監督は、殺陣指導に熱心に参加していました。 Pai Mei の役は自分で演じることも考えていたようで、中国人スタッフを相手にワイヤーアクションの練習もしていました。 監督は日本の殺陣の大ファンで、私と練習もしていました。 お昼休憩では、監督のコレクションの中から聞いたこともない古い侍映画やアニメを見せてくれました。 監督が僕をジキルとハイドのようだと言っていたのを思い出します。普段は静かで、刀を握ると恐ろしいみたいな。 (笑)
CNNGo: 長年にわたって歌舞伎の舞台から大規模予算のハリウッド映画まで、様々な場所で活躍されてきましたね。 今後はどのような活動をされるおつもりですか?
島口: かむゐで世界を廻り、日本のソードアートを世界中の人々に紹介していきたいです。 もちろん映画出演も続けます。 それから、外国でもサムライ道場を開き、私のスタイルを学びたいと思っている海外の人々にも指導していきたいです。 ソードアートを、日本文化を語る上で欠かせないものとして人々に認識してほしいと願っています。 経験として、殺陣は日本だけでなく世界中に友人を作る素晴らしい方法であると学びました。
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