東京のトップ演劇街ガイド
A wall in Shimokitazawa shows what is happening at the neighborhood's major theaters.期待させすぎないようにあらかじめ言っておくが、 ニューヨークにあるブロードウェイやロンドンのウェストエンドのような演劇街は東京には存在しない。 しかし東京には、大規模な劇場から小劇場まで数多くの劇場が散在している。 新鋭の「演劇街」の多くは、渋谷や六本木のようなアクセスに便利な人気エリアではなく、なぜか郊外のいささか寂れた街に位置する場合が多い。
ヒット作を上演する大劇場からカラオケ店並みの小さな芝居小屋まで、街にある劇場の全てを一目で調べるのはほとんど不可能なので、劇場リストをチェックすることをお勧めする。 一般大衆向けミュージカルやショーを興行する劇団四季 や 赤坂 ACT シアター などといった大規模な商業劇場ももちろん多数あるが、従来の舞台芸術の枠を超え、単なるエンターテイメントに留まらない演劇を生み出そうと努力する役者や脚本家が集結している地域も東京には存在する。
下北沢: 東京アングラ演劇のメッカ
まずはここ、西東京にある下北沢から始めるべきだろう。頭上には何本も線路が交差し、カフェや衣服店がひしめき、インディ系ファッションをまとった若い女の子達が曲がりくねった道を闊歩する。 ここには東京でも最高級な小劇場が集中している。 その多くは小規模だが、日本でも最高レベルの劇団がここで上演する。

他の劇場はこの本多劇場と規模で比較すると見劣りしてしまうが(ほとんどが非常に小規模)、逆に舞台と観客の間に親近感が生まれる。チケットも 2 千円から 3 千円と手頃だ。
観劇が目的ではなくても、街を散策し上演前後に劇場前に集まる人たちを見るだけでも楽しい。 街の景観が常に変化する東京で、ここ下北沢は日本でも数少ない日本演劇コミュニティのひとつである。
最寄り駅:下北沢、駒場東大前
劇場:
駅前劇場(世田谷区北沢 2-11-8 TARO ビル 3F) 電話:03-3414-0019、www.honda-geki.com/ekimae.html)
Off Off シアター(世田谷区北沢 2-11-8 TARO ビル 3F ) 電話:03-3424- 3755、www.honda-geki.com/offoff.html)
劇(世田谷区北沢 2-6-6、 電話: 03-3466-0020、 www.honda-geki.com/gekisyogekijo.html)
ザ・スズナリ(世田谷区北沢 1-45-15、 電話: 03-3468-0080、www.honda-geki.com/suzunari.html)
楽園(世田谷区北沢 2-10-18 B1F、 電話: 03-3466-0903、www.honda-geki.com/rakuen.html)
シアター 711(世田谷区北沢 1-45-15、 電話: 03-34690-9711、www.honda-geki.com/711.html)
こまばアゴラ劇場(目黒区駒場 1-11-13、 電話: 03-3467-2743、www.komaba-agora.com)
初台: 国立劇場
ここ新宿の片隅にある初台は、東京版ポンピドュー・センター(Centre Pompidou:パリにある総合文化施設)といえるだろう。 オペラシティ にはギャラリーとコンサートホールが併設され、近接する新国立劇場(新宿区本町 1-1-1、 電話:03-5351-3011、www.nntt.jac.go.jp/english)は日本トップの国営演劇施設である。 製作作品の全てがその直属劇団に上演される。 シェークスピアからバレエ、現代外国ドラマの日本語版まで、扱うジャンルは幅広い。 だが、日本の観客には馴染みの少ない作品や多すぎる古典作品の上演のせいもあってか興行成績は芳しくなく、一部同業者からは廃館の声も上がっている。
最寄り駅:初台
池袋: 荒っぽい地区にある真剣な劇場
カジュアルでヒップな雰囲気の下北沢とは対照的に、池袋のイメージは少し野暮ったい感じだ。 豊島区はこの評判を問題視、イメージチェンジに取り組んでおり、日本の主要国際舞台芸術の祭典であるF/T(フェスティバルトーキョー)も開催している。 池袋駅メトロポリタン出口から徒歩数分のところにある
演劇通の人は、池袋に多い小劇場のひとつ、シアターグリーン(豊島区南池袋 2-20-4、www.theater-green.com/)の公演スケジュールもチェックしてみよう。 また、アウルスポット (豊島区南池袋 4-5-2、電話: 03-5391-0751、www.owlspot.jp) 事務所ビル風の外観とは裏腹に、古典を新しくひねった作品を上演している。
最寄り駅: 池袋、東池袋、西巣鴨
西東京: サブカルチャー的革新
東京の文化に大きな影響を与えている高円寺などの西東京地区では、舞台芸術サブカルチャーが急成長。
2009 年に設立された、座・高円寺(杉並区高円寺北 2-1-2、電話: 03-3223-7500、za-koenji.jp)は、幅広い分野の作品上演が可能な広々としたホールのようなシアター空間だ。 2 つあるスペースは、ミュージカル、ダンスやセミナーなどに使用されている。 同じく中央線にある三鷹市芸術文化センター(三鷹市上連雀 6-12-14、電話: 0422-47-5122、mitaka.jpn.org/geibun)は、三鷹駅からは少し離れているが一度は訪れてみたい文化施設である。また、中野区の裏通りの一画にも近年、「ザ・ポケット」、「劇場MOMO」、「劇場HOPE」、「テアトルBONBON」(中野区中野 3-22-8、電話: 03-3381-8422, www.pocketsquare.jp)の 4 つの小劇場が誕生した。
最寄り駅: 高円寺、三鷹、中野
千駄ヶ谷:
他の演劇街のシアター同様、世田谷区のキャロットタワーも名前は風変わりだが、その中にある世田谷パブリックシアターは、その規模と舞台芸術にかける野心のどちらをとっても目を見張るものがある。東京でも最高水準の設備といってよいだろう。(世田谷区太子堂 4-1-1、 電話: 03-5432-1526、setagaya-pt.jp/en) ミュージカル、クラシカルのリバイバル作品や二人芝居が楽しめる。 サイモン・マクバーニー氏やロメオ・キャテルッチ氏などの海外の監督による作品も、ここ三軒茶屋で上演された。
舞台の規模にかかわらず、客席の勾配が高いため、舞台と客席との間には大規模シアターとは思えないような親密な空感を作り出されている。 小規模な作品もここで上演し見事に成功を収めている。




