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X Japan: アメリカで復活

X Japan: アメリカで復活

初の北米ツアーを行う X Japan。ハードコアファンには感動を与えたがその行方はまだ謎である

日本ではザ・ビートルズを凌ぐビッグアーティストとして 1982 年以降 3 千万枚以上のレコード売上げを誇るX Japanだが、西洋諸国での知名度は驚くほど低い。 

そして遂に今年、長年に渡る期待を背負い X Japan の北米ツアーが幕を開けた。 日本のヴィジュアル系ロッカーの全米ツアーの行方とは? 

X Japan 全米ツアー
オークランドの Fox Theater でその名を知らしめた X Japan。
カリフォルニア州オークランド

9 月 5 日、ロサンゼルス・Wiltern Theater でのライブを皮切りに全米ツアーをスタートさせた X Japan を観ようと、次の公演場所となるカリフォルニア州オークランドのFox Theaterへと筆者は足を運んだ。

観客の多くはサンフランシスコ・ベイエリアから集まった 30 代から 40 代と思われるアジア人の男女。最大収容人数 2,800 人の Fox Theater は、日本で 50,000 人以上を動員してしまう同バンドのライブを考えれば至って小規模だが、このチケット販売でさえスムーズには行かなかった。

にも関わらず、X Japan を愛する古くからのベテランファンは、前列を確保しようと髪の毛を逆立たせたへヴィメタヘアのまま、コンサート前日から会場前で野宿する力の入れようである。

ファンの思い

その一方、他の観客は単なる偶然で来場したに過ぎなかったようである。サンフランシスコ州立大学(http://www.sfsu.edu/)の大学院に通う Keme Bonnet さんもその 1 人。 「全くの予定外でしたね。(以下、原文英語)」と Bonnet さんは話す。 

「もともとコンサートに行こうとしていたルームメイトが、チケットを余分に持っていたので付いて来ただけなのです。 X Japan と言う名前は聞いたことすらなかったので、どんなライブになるのかも分からないままやって来ました。」

高校時代に X Japan 熱を経験した大阪出身、 San Leandro 在住のナカジマさんは一生に一度の珍しさに惹かれて来場を決めたらしい。

「もともとファンではなかったのですが、高校時代の友人が X Japan の大ファンだったことがきっかけで、大阪のカラオケで毎晩歌っているうちに歌詞を全部覚えてしまいました。 今日一緒に来た日本人の友人の中には大ファンでない子たちもいますが、X Japan のコンサートを観れるのは珍しい機会だと思い、来場することにしました。」と話してくれた。

一方、このチャンスをひたすら待ち続けていたアメリカ人ファンもいる。 Concord でPolaris Toursを経営している サンフランシスコ出身の Kenji Lance Imamura さんは 1997 年来のファン。 大学時代に X Japan の音楽を初めて聴いた Imamura さんは、「生で彼らを観られる日がくるとは想像していませんでした。」と話してくれた。 

X Japan 全米ツアー
全米ツアーを通し、馴染みのない会場でライブを行う X Japan。
パフォーマンス

Fox Theater で開催された 2 時間に及ぶパフォーマンスは、パワーメタルサウンドに長編バラード、怒涛のロックンロールが満載で、小規模な会場ながらバンドの威力を見せ付ける形となった。

舞台照明やスモーク効果に加え、バンドリーダー Yoshiki のドラムキットとピアノが置かれた 20 フィートにも及ぶ真っ白な階段状のセットは、ロックスター X Japan のプロ根性を証明した。 爆音鳴り止まぬエネルギッシュなステージだ。 『X』の曲に合わせ、バンドメンバーの合図と共にファン達が「We are X」とジャンプしながら叫ぶ姿は、X Japan とファンとの繋がりの重要性を良く表していると言えるだろう。

オークランドのステージでは、バイオリンやピアノ、ドラムソロが間奏曲として使われるなか、『Silent Jealousy』、『紅』、 『I.V.』といった名曲が披露された。 フィナーレでは、『Endless Rain』や『Art of Life』のアンコールがあるなど白熱したステージとなった。 

X に対するライブファンの反応

「Yoshiki のカリスマ性には非常に感激しました。」とナカジマさんが話す。 「昨晩のコンサートのおかげで、高校時代の友人がなぜあそこまで Yoshiki に惚れ込んでいたのかが理解できました。 彼の笑顔は最高ですね。」

さらに、名前すら聞いたことのなかった Bonnet さんも、「彼らの才能に圧倒されました。 素晴らしいミュージシャンたちは、ステージで偽りのない最高のパフォーマンスを見せ付けてくれました。」と話している。

観客を熱狂の渦へと巻き込んだメンバー 5 人のパフォーマンスからは、喜びが溢れていたのだ。 コンサート後、ステージ上では X Japan のメンバーが自身の記念写真を撮っていた。 

X Japan 全米ツアー
8 月 8 日ロラパルーザで演奏する X Japan。

相反する記者の反応

アメリカ中東部でのツアーに関する報道や、カリフォルニアでの公演の感想がブログやメディアで伝えられるなか、 X Japan は徐々に北米で知名度を築きつつある。

8 月 10 日にYoshiki とのインタビューの様子を放映したABC World News は、X Japan のコンサート映像を紹介すると共に、ザ・ビートルズに端を発した 1964 年の「ブリティッシュ・インベージョン」のごとく、「ジャパニーズ・インベージョン」が全米を包む可能性を示唆している。

さらに、SF Weeklyのレポーター Kirsty Evans 氏は、「観客との繋がりやカリスマ性を重視しているバンドがあるとすれば、それは間違いなく X Japan ということになるだろう。大した期待もせず会場に足を運んだ X ファンでない筆者 でさえもその感動に包まれてしまった。」とはっきりコメントしているほど。

一方、The Oakland Tribuneの Jim Harrington 氏は、「上半身裸で無闇にドラムを叩きまくり、ピアノ演奏を続けながらも椅子から床へと情熱的に滑り落ちるやり過ぎ感のあるパフォーマンスは、ありきたりなロック界キングのそれそのもの。彼がエンターテイナーとしての才能に溢れていることは間違いないが、変わり映えのないパフォーマンスはいかがなものか。」 と Yoshiki をシビアに批評した。

アメリカ進出を図る X Japan の行方

今後全貌が明らかになるであろう全英語歌詞のアルバムリリースなど、X Japan がアメリカでの成功を狙っていることは間違いない。

だが、アメリカのファンたちは彼らの全米成功を楽観視していないようである。 「X Japan の音楽は、ジャンルが一定していません。これはアメリカやヨーロッパのロックグループにはあまり見られないパターンです。」と Imamura さんが指摘する。 「加えて、彼らの過度な衣装をアメリカ人が受け入れられるようになるには、後数年かかるかもしれません。」

未だかつてアジア人バンドがアメリカでスターダムにのし上がっていない実情を考えれば、 X Japan がアメリカでトップチャート入りを果たすのはそう容易なことではないかもしれない。

とは言うものの、初の全米ツアーは始まったばかり。結論を出すには早過ぎるだろう。 唯一はっきりしていることと言えば、デビューから約 30 年を迎える X Japan は新しいファンを獲得しながら復活を遂げているということだろう。

X Japan 全米ツアー開催日程:

開催日:10 月 6 日、開催場所:Riviera Theatre 、Chicago 、 IL 

開催日:10 月 7 日、開催場所: Massey Hall、Toronto 、 ON 

開催日:10 月 10 日、開催場所:Roseland Ballroom、New York 、NY    

Yoko Kumano は東京を拠点に活躍する Umamimart.com のフードブロガー。

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