Verbal and Yoon 東京究極ファッションパワーカップル
日本が誇るファッションカップルとなった Yoon と Verbal 。「ベストジーニスト」や「日本メガネベストドレッサー賞」 など、意味不明な受賞者の蔓延る東京において真のセレブファッションリーダーを見抜くのは容易ではない。
ヒップホップグループ M-flo 及び Teriyaki Boyzの創設者でリード MC を務める MC Verbal と、彼の妻でデザイナーの Yoon のユニークなスタイリングは、アングラファッション熱を引き起こし、「Best Verbalist」賞が生まれてしまいそうなほど高い注目を集めている。

ファッション界を奇襲
この 10 年、才能ある MC、 DJ、音楽プロデューサーとして知られる Verbal とグラフィックアーティストの Yoon は、2 人で デザイン事務所Ambushを経営する紛れも無い東京の究極ファッションパワーカップルだ。
マテルのおもちゃのようなビビッドカラーがキッチュさを添えるヒップホップとロックのミックススタイルは、Louis Vuitton や Doc Martens キャンペーンなど世界の注目を集めるほか、数あるファッション雑誌に加え New York Times にまでそのスタイルが紹介されたほど。
「有名になりファッションブランドを持つようになると、思わぬ方向に行くことがありがちです。きちんと認識されるようになったことは本当に素晴らしいです。(原文英語)」と Verbal は話す。
だが、スタイリッシュな渋谷のアトリエで話しをする Verbal と Yoon が全く壁に衝突しなかったわけではない。

我が道を突き進む
在日コリアン人の Verbal と、韓国生まれアメリカ育ちの Yoon がデートを重ね始めたのは、2 人がマサチューセッツ州ボストンにある大学に通っていた頃。Verbal が音楽業界デビューを果たす少し前の話である。
イメージ戦略に忙しい日本の芸能業界で、Verbal は変らず、自分らしく活躍している。
「私が韓国人であることを言ってはいけないとか、人から訊かれたら独身と答えるようにと教えられましたが、『私は韓国人で、もうすぐ結婚するんだ。そういうものなんだ。』と答えました。 おかげで今ではやましさも無く、わざわざ隠すこともないので良かったですね。」と Verbal は話す。
Verbal は、Yoon がグラフィックデザインの才能を表現できるよう 2002 年に Ambush Design を設立しており、Yoon はそこで CD アルバムのデザインを手掛けている。
「けれど、日本の文化も日本語も知らないのでほとんど家にいたのですよ。」と Yoon。 とは言え、今やアイコン的存在の Verbal のスタイルには Yoon の影響があるのだ。
ある日写真撮影を終え、家に帰ってきた Verbal が仮写真を Yoon に見せるという出来事があった。 「『ラッパーだからって、どうしてこのトラックスーツを着たりラッパーな服装をしているの?好きでもないのでしょ?』と彼に言ったのです。」と Yoon は話す。Verbal は当時を振り返りながら、「まだ業界に入ったばかりの頃で、言われたものを着ていただけなのです。」と笑った。
そして Yoon から好きなものを着るよう勧められた Verbal は、間もなく自前アーティストへと変化を遂げてみせた。

ファッションの世界へ
ブリンブリン(キラキラアクセサリー)絶頂期の 2004 年に Antonio Murphy & Astro と呼ばれるジュエリーラインラインを展開し始めたことで、磨きのかかった 2 人のファッションはさらに勢いを増すようになる。
Verbal が身に付けていたMichael Jacksonの特大ペンダントをカニエ・ウェストが気に入るなど、有名アーティストからの注文を受け始めたのだ。
「カニエのようなアーティストと音楽について語り合うことは難しいですが、ファッションによって会話が自然と生まれました。」と Verbal は話す。
さらに 2008 年には、Ambush と呼ばれる価格を抑えたラインを設立し、蛍光色の「pow」やメタル目玉のバーベル型リングなど大人気商品を送り出している。
A Bathing Ape 、 Topman や時計メーカーの Georg Jenson ともコラボレーションを果たしているほか、パリの高級ブティック Colette といった世界中の展示会に招待されている。
ちなみに、Verbal とYoon がセルフプロデュースを一貫してこなすAmbush のオリジナル商品は、都内で手作りされている。
事務所に縛られない生活
2 人が自身の成功に気付いていないわけではない。 「もちろん Verbal が有名人なのでラッキーです。」と Yoon は話す。
さらに、Verbal が「時々、投資家を募ってみるのも良いかもしれないと思うのですが、結局は流動性と親しみやすさで上手くいっているようなものなので。 私のマネージメント事務所は非常にオープンで、出演料や契約に縛られている多くの芸能人と違い、行きたいイベントがあれば好きに行くことができます。 だから、若者 10 人くらいしか入りきらないような渋谷の Trump Room に行くことがあっても、それは我々にとってはクールなことなのです。」
Yoon も頷きながら、「それにそういった場所に来ている若者の服装は私達にインスピレーションを与えてくれるのですよ。」と付け加えた。
有名ファッション評論家ドン小西に「日本一ファッショナブルな男性」としてテレビで紹介されて以来、Verbal と Yoon のファッションは注目の的となっており Tokyo Dandy のような影響力のあるファッションブログまで彼らのスタイルを記録的に伝えているほどである。

創造性の傑作
音楽とファッションが本質的に結び付けられる一方で、今年までその成果が頂点に達することはなかったと Verbal は話す。
「この 10 年間、1 時間 1,000 マイルの速さで前進してきました。 そしてやっと、パリに 2 人で出向いて日中トランクショーを行い、DJ イベントを開催するということが可能になったのです。本当に素晴らしいことです。」と Verbal は話す。
Zippo やVitamin Water といったブランドのクリエイターとして携わるなど広告業界でも活躍する 2 人は多忙な毎日を送っている。
Verbal は笑みを浮かべながら、「最近は忙しすぎてスタジオで音楽を作る時間さえありません。そのためレコード会社からプレッシャーを掛けられてしまうのですが、これはまた別の話ですね。」




