悪ノリ?新解釈?東京珍グルメ 7
言わずと知れた、東京はグルメな街だ。当然、日本全国各地の郷土料理の店も数多い。だが、地元へ帰れば素朴な家庭料理のはずのそれが、東京の料理店では、なんだかとりすました高級料理になっている。お値段もそれなりに高く、もはやローカルフードとは言えない。
そんな中、ローカルフードの食べ歩き愛好家やB級グルメファンを喜ばせているのが、いわゆる「御当地グルメ」や「珍グルメ」を扱う店だ。
東京都内と近郊で味わえる、「珍グルメ」メニューを7つ集めてみた!
1.トルコライス 長崎県 1350円

スパゲティナポリタン、ピラフ、ハンバーグ。どれひとつとっても、変わったところはなく、おなじみの『洋食』メニューだ。だが、これが「いっぺんに一皿に盛り合わせになって」出てくるとなると、立派な『珍』。その姿は、少し「お子様ランチ」に似ていなくもない。だが「お子様ランチ」が「子供の好きなものを集めた」のに対して、なぜ「トルコ」なのだろう?
ナポリタンはイタリア、つまりヨーロッパ。カレー味のピラフ(店によってドライカレー)がインド、これはアジア。その両方をハンバーグやトンカツ、エビフライなどのメイン料理が橋渡ししていることから、アジア側とヨーロッパ側に国土がまたがる「トルコ」の名が付いたといわれている。
『66ダイニング六本木六丁目食堂』のトルコライスはメインディッシュもハンバーグやコロッケが選べて自由度は高い。味わいは限りなく懐かしい、日本の洋食だ。トマトソースではなく、ケチャップの味。ノスタルジーにひたりたい、がっつりボリュームが欲しい、そんな時に食べるのに良さそうな一品である。
港区六本木6-4-1 六本木ヒルズメトロハット ハリウッドプラザB2F、03-5775-4625、11:00~23:00、不定休
2.えびめし 岡山県 880円

えびめしと言えば、岡山の御当地メニューだが、実はこの「えびめし」の元祖・発祥は我が店だ、とするカレーショップが渋谷にある。その昔、同店で働いていた岡山県出身のシェフが、のれん分けの際に許可を得て故郷へ持ち帰り、アレンジを加えたものが人気となって郷土料理化した…とされる。
このえびめし、ルックスは真っ黒なピラフ。だが炊き込みごはんではなく、エビや玉ねぎなどの具材とごはんをフライパンで炒め、スパイスの効いたソースで味付けしたもの。ソースはドミグラスソースやケチャップ、カラメルなどがブレンドされているものらしい。まっくろなご飯の上に錦糸卵、彩りにグリーンピースやインゲン豆の刻んだものなどを散らすのが一般的。コールスローなどのサラダを添えるのが元祖のコーディネートだという。
元祖の店は渋谷道玄坂のビルの地下にある『いんでいら』は、10人も入ればいっぱいになる小さなカレーショップだ。注文して早速現れた「えびめし」はなるほど真っ黒。口にほおばると真っ先にスパイスが薫る。明らかにカレーの味・香りではないが、確かにスパイシーだ。
ほの甘く、プリプリの海老のほのかな塩味がアクセント。酸味の効いたサラダを添えたくなる気持ちがよく判る。固定ファンが多いのもうなずける、個性際立つ味だ。
東京都大田区千鳥1-3-6、03-6410-3656、10:00~22:00、無休
3.ぼっかけオムそば 兵庫県 680円

粉物文化の国、関西。かの地はソース文化圏でもある。「お好み焼き」「たこ焼き」「焼きそば」は関西ソウルフードと呼んで差支えなかろう。「粉物系」の店が多彩にそろう大阪・神戸では、当然のようにスタンダードから派生した「オリジナル系」メニューが存在する。
神戸には「ぼっかけそば」というメニューがある。「ぼっかけ」とは牛スジとコンニャクを甘辛く味付けして煮込んだもののことで、神戸長田区が発祥。そば、ラーメン、カレーなど、ありとあらゆるもののトッピングとして愛されており、日本そばにトッピングすれば「ぼっかけそば」、焼きそばに絡めれば「ぼっかけ焼きそば」。なるほど。
中央線・立川駅構内にある『長田本庄軒』では「ぼっかけオムそば」が味わえる。オープンキッチンの一角では一抱えもあろうかという寸胴鍋に、大量のぼっかけがぐつぐつと煮込まれていて、おいしそう。鉄板の上で手際よく自家製の太麺とキャベツ、ぼっかけを炒め、卵で包む。
スピーディな調理は見ているだけで楽しい。いわゆるソース焼きそばよりもやや甘め、スパイスよりも牛スジのコクが効いた、独特で濃厚な味だった。
JR立川駅東改札内、042-526-2432、7:00~22:00 (日祝は21:00)
4.つけナポリタン 静岡県 960円

最近、ラーメン好きの間では「つけ麺」が流行っているらしいが、静岡県富士市には「つけナポ」なる御当地メニューがあるという。 富士市吉原商店街で誕生した「つけナポ」とは、「つけナポリタン」のこと。そもそも「ナポリタン」自体、イタリアから見れば珍メニューだろうが、それがさらに「つけ麺」になるとはどういうことなのか?
看板すらないマンションの一室、オシャレな隠れ家風カフェバー『ライオンのいるサーカス』ではソースがたっぷり入ったボウルとアツアツの麺を載せた皿が出される。麺の横にはレモン。「麺が熱いうちにレモンを絞って召し上がってください」とのこと。
まずは、とソースだけを食べてみる。まさにハーブの香りの効いた、トマトベースのビーフシチュー。おいしい。具としてはとろとろの牛スジ肉、半熟のゆで卵とアスパラガス、とろけるシュレッドチーズ。麺は、どちらかといえばラーメンの太麺。デュラムセモリナを含む3種類の小麦粉をブレンドし、ラーメン同様、かんすいで仕上げたものだそう。
誰もが喜びそうな優しいビーフトマトシチューとコシのある太麺の組み合わせ。ラーメンの感覚でずるるっと食べるのがよろしい。ライスセットもある。
渋谷区恵比寿南2-3-1 パーザ恵比寿301、03-6452-3657、11:30~24:00(平日)、土日は~27:00、不定休




