戦後の名残を留める新宿の飲み屋街
「しょんべん横丁」としても知られる、戦後の名残を色濃く残す「思い出横丁」は、新宿駅から徒歩数分の場所に位置する飲み屋街だ。 露店居酒屋がひしめき合う「思い出横丁」に足を踏み入れると、戦後の寂びれたスラム街にでも入ったような、哀愁に似た感覚を覚える。
しかし実際は、昔ながらの雰囲気を残す新宿の有名なテーマ居酒屋として大切に保存されているのだ。 「思い出横丁」のテーマは、「戦後の貧困」といえるだろう。
1940 年代の闇市にルーツを持つこの酒場街には便所が設置されておらず、酔っ払いは線路に向いて用を足してていたことから「しょんべん横丁」と呼ばれるようになった。 1999 年の火災で戦後当時の建物の多くが焼失。その後、しょんべん横丁は再建された。
トイレ設備のある「思い出横丁」として、生まれ変わったのだ。 今日の「思い出横丁」は、再建後 10 年と経っていないのが信じられないほど、どこもかしこも油にまみれている。
「昔ながらの日本の飲み屋街」というテーマとは裏腹に、思い出横丁で働くスタッフの多くは、アジア各国からやって来た若い女性達だ。 片言の日本語を話す外国人女性スタッフと、観光客を中心とした酒好きな客が入り乱れる思い出横丁には、しょんべん横丁時代とはまた一味違った怪しい雰囲気が漂う。
美味しい焼き鳥
そうは言っても、思い出横丁が焼き鳥やもつ鍋、ホルモン焼きが味わえる最高の場所であることに変わりはない。 それからメニューの多くには、通常口にすることはない家畜の体の部分が使われている。
朝起(あさだち、新宿 1-2-14 、電話:無し)は、豚の睾丸、焼きサンショウウオ、カエルの刺身といった珍味を扱っており、海外メディアお気に入りの居酒屋だ。 風変わりな料理に果敢に挑む人でさえ躊躇してしまいそうな品揃えなのである。 ちなみに朝起は、新宿では珍しい馬のペニスをメニューに置いていることでも有名だ。
普通の焼き鳥を食べたい人にも安心のお店はあるが、正直なところ、これらの焼き鳥屋はクオリティーの高さよりも、「思い出横丁」というロケーションの魅力で人気を博している。 美味しい焼き鳥屋を見つけるのは、必ずしも簡単ではない。 人の流れに従ってみたり、この辺りの飲み屋事情に詳しい友達と一緒に行くのがベストだろう。 失敗しないお店選びの常識どおり、お客で賑わっている店は味も良いということだ。
思い出横丁の角地に位置する、伝統的な焼き鳥を振舞うカブト(新宿 1-2-11、電話: 03-3342-7671)は、地元のサラリーマンでいつも賑わう。 食堂風メニューが好みなら、ご飯に大豆と挽肉をのせたソイ丼で有名なつるかめ(新宿 1-2-7、電話:03-3343-4078)がお勧めだ。 バー・アルバトロス(新宿 1-2-11、電話:03-3342-5758)は、思い出横丁で唯一「高級感」漂う飲み屋である。
アルコールメニューは、ドラフトビール、焼酎、ウーロンハイ、酒を中心とした男性向け。 しょんべん横丁では、梅酒が唯一の女性向けの飲み物なのである。 実際、この新宿の飲み屋街では、粗雑な男らしさが粋なのだ。嘘だと思うなら、梅干の入った焼酎を片手に、古き良き時代を懐かしんでみてはいかがだろうか。
しょんべん横丁/思い出横丁:http://www.shinjuku-omoide.com/
新宿駅西口から徒歩 5 分





