今や単なる歴史の遺物としか考えられていない茶道は、古ぼけた場所で高いお金を払うもはや旅行客のためのもの。
しかし、 1 人の若者がこの時代遅れの文化を現代に蘇らせた。そこでは、財布の紐が堅いサラリーマンや OL でも十分楽しめる茶道の世界が広がっている。
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「19 世紀の茶聖と称される千利休は、漁師や農民など一般の人々に使われていた椀を好んだとされています。(原文英語)」と、人気アニメキャラクター『ちびまる子ちゃん』が描かれた茶碗を手に取りながら給湯流茶道の家元、谷田さんが話す。
「千利休は時の大名、織田信長や豊臣秀吉が韓国や中国から取り寄せたお宝級の陶器ではなく、人々の生活に馴染みのある欠けたりムラのある質素な茶碗を好みました。」
ウェブサイト「給湯流茶道室」のクリエイターでもある谷田さんは、 「茶道を OL に開放せよ! きみも今日から千利休」を合言葉に、古代の癒しの文化を味わってもらおうとサラリーマンや OL を中心に幅広くこのメッセージを伝えようとしている。
もちろん、モバイルメディア開発会社iBroadcast Incでキュートな OL と共に谷田さんが現在行っている写真撮影もこの取り組みの 1 つだ。

富を超えた美
「一般的に稽古料が高い茶道は、高齢者を中心とした富裕層の嗜みとなっています。 けれど、千利休が提唱した「わび・さび(侘・寂)」の概念とは、美の心であり、決して富を意味したものではありません。」と、谷田さんは説明する。
「上流社会への反発を込めて、千利休はこのように小さく質素な茶室をたくさん造ったのですよ。」と、付け加えながら本日のお茶会の席となるオフィスの一角にある小さな給湯室を見せてくれた。
日本の美の原点とも言える「わび・さび」は、不完全さや儚さを尊ぶ概念であり、質素さや非対称、自然との交わりとして度々表現される。
給湯室を通し、こういった「わび・さび」の奥深さを学ぶというのは何とも難しいように思えるが、それで十分。 実際、非常に実用的である。
会社員がどこでもリラックスできるのなら、敢えて凝った場所は必要ないことを谷田さんは伝えようとしているのだ。
茶道に伝わる男らしさ
茶道界に革新をもたらそうとしているのは谷田さんだけではない。 例えば、400 年の歴史を誇る裏千家は伝統的な茶道を世界 36 ヶ国で紹介しているし、ウェブサイトJapan Twoは、裏千家の茶人近藤俊太郎さんがアパートの一室で開催する非常にカジュアルなアバンギャルド茶会の様子を伝えている。
早稲田大学と東京家政大学で江戸千家流茶道の講師を務めるナイトウさんは、手銭和加子さんと共に歴史的背景を紹介しながら茶道の稽古を行っている。ちなみに島根県出身の手銭さんは、武士の茶道を完成させた 18 世紀の島根の大名松平治郷を仰いでいる。
このように茶道を現代に伝える茶人のなかでも谷田さんの試みは特に目を引くものだと言えるだろう。 そもそも茶道に伝わるエンドレスな作法というのは、豊臣秀吉により千利休が殺害された後、その弟子たちが和の心とも言わんばかりに説きだしたものなのだ。
谷田さんはこういった堅苦しさを脱ぎ去り、現代のサラリーマンや OL に茶道は気軽に味わうものだと伝えている。
着物を着た高貴な女性が思い浮かぶ敷居の高いイメージを捨て、安らぎやもてなしの心に触れられる素晴らしい美徳に気付いて欲しいと谷田さんは願っている。
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