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日本のワイン界を揺るがす漫画

日本のワイン界を揺るがす漫画

ワインを描いた漫画『神の雫』の著者、樹林伸さんと樹林ゆう子さんが、ワイン好きが高じて生まれた大人気コミックシリーズについて語った
Kami no ShizukuThe most influential personalities in Japan's wine world are fictional, but very very good looking.

アジアのワイン市場において大きな影響力をもたらしているのは、ワイン専門家ロバート・パーカー氏ではない。というか、そもそも「人」ではない。 姉弟ユニット、樹林伸さんと樹林ゆう子さんが原作を手掛け、オキモト・シュウさんが作画を担当した、ワイン漫画『神の雫』(別名 Les Gouttes de Dieu)の主人公がそうなのだ。

有名なワイン評論家の父に反発する主人公、神咲雫は、総額 20 億円相当とも言われるワインコレクションの相続争いに突然身を投じる羽目になる。 亡き父の残した遺言は、「『十二使徒』と、幻の一品『神の雫』と呼ばれる合計 13 本の世界最高のワインの正体をつきとめる」というものであった。 主人公である若きヒーローは、養子縁組で義兄弟となったカリスマソムリエを負かすためにワインについてのあらゆる知識を習得する。ゴタゴタのファミリードラマを描いた『神の雫』は、読み出したらとまらない面白さに、ワインガイドとしても使える知識がぎっしりと詰まっている。

アジアワインブームの火付け役となった漫画

分かりやすさとワイン熱の組み合わせが、『神の雫』がアジアで爆発的ヒットとなった要因である。 2004 年に週刊『モーニング』で連載を開始して以来、ワインの売上げは急上昇、 連載開始 1 年目には、130 %の成長率を見せた。 この現象は台湾、中国、韓国へと瞬く間に広がり、日本国内同様、売上げ 150 %増のワインブームの火付け役となった。 アジア各国のワインショップでは、全 24 巻に渡るストーリー中に登場していたワインとして店頭で紹介までされている。

『神の雫』は、中国語、韓国語、フランス語に翻訳された。 著者によれば、待望の英語版は今年末に出版予定であるが、 待ち切れないファンたちは独自に漫画を翻訳したり、2009 年日本テレビで放映された亀梨和也主演のドラマにサブタイトルを付けたりして、インターネットで公開している。

昨年ワイン雑誌 『Decanter』では、ワイン界に影響を与えた 50 人の中に樹林伸さんと樹林ゆう子さんが選ばれ、フランスで最も格式あるワインソサエティの一つに招待された。

樹林ユニットの経歴

樹林姉弟は、祖父からワインやフランス料理の知識を学ぶ。その後、ブルゴーニュの名品、1985 年物の Domaine de la Romanee-Conti を飲んだことで、趣味が情熱へと変わっていった。 今では姉弟共にワインセラーを持っている上、3,000 本ものワインコレクションを保管する共有のアパートまで別途所有している。

「マニアなんですね。 浴槽もワインでいっぱいなんですが、まだまだ飽き足りません。」と、ゆう子さんが笑いながら話してくれた。

『神の雫』のアイデアを仕事後のワイン片手に思いついたというのも納得である。

「ワインは黒髪の魅力的な女性のようだと遊び半分で話し始めたことから始まったのです。」と、伸さんが話してくれた。亜樹直というペンネームの元、樹林姉弟独自の想像力豊かなワイン描写には定評がある。 ブルゴーニュ産 Vosne-Romanee Cros Parantoux が、苺畑に佇む美しい乙女のキスに例えられる一方、ボルドー産 Mont-Perat は、ロックバンドの Queen に準えるといった表現が良く知られている。

一番重要なことは、作品へのインスピレーションを沸かせるワインを見つけ出すことだとゆう子さんは語る。 カラブリア産の珍しいイタリアの赤ワインに出会ったのは、2 人がスパイシーな韓国料理に合うワインを探していた時だった。

「キムチと最高に合う 1 本でした。 それから、唐辛子畑の横にあるワイナリーを見つけて、ストーリーが頭に浮かびました。」と、伸さんは思い出を語る。

樹林姉弟のもとには、新作の宣伝を期待するワイナリーから大量のサンプルが送られてくるが、姉弟が気に入ったワインについてしか書かないと断言している。

超高級なワインばかりではない

漫画には高級ワインが数々登場するが、リーズナブルなワインも同様に登場する。 高級ラインからそうでない物まで平等に扱う姿勢が幅広い注目を浴びた理由とも言えるだろう。

「ワインを中心とした漫画で、非常にレアな高級ワインのみを取り上げるのは簡単です。『神の雫』の中にもそういったワインは登場しますが、日頃飲むような1,900 円から 2,500 円程のワインも登場します。 お店に行って自分自身で味わってみることが出来るのです。」と、オンラインショップで輸入業者のディレクターを務めるタケムラ・ヨシヒコさんは語った。好みのワインはフランス産という樹林姉弟の漫画には、イタリア、オーストラリア、カリフォルニアといった他の地方のワインも登場する。 現在姉弟は、ドイツ、ポルトガル、スペイン産ワインに凝っているとのことだ。

これまで漫画の中では、13 本のワインのうち 7 本が見つかっている。 樹林姉弟によると『神の雫』は、3 年以内に完結するようで、次の物語りもすでに構想中とのことである。

「まだ内容は言えませんが、ワインが関係するストーリーになると思います。」と、ゆう子さんは話してくれた。

Melinda Joe です。 ルイジアナ州からやって来ました。もともとは 1 年だけ日本に滞在する予定だったのですが、日本食とお酒にすっかり惚れ込んでしまいました。 ご覧の通り、今も日本に居ます。
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