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上海で最強の臭豆腐に挑戦

上海で最強の臭豆腐に挑戦

この臭豆腐に鼻を近づけてはいけない。 悪臭をやり過ごせたなら、おいしい豆腐の世界が待っている
臭豆腐を自分で作る方法を知りたいですって? あなたのキッチンがその臭いに耐えられるなら、こちらをどうぞ。『臭いけどおいしい! 臭豆腐レシピ』

上海以外の場所で、あの臭豆腐独特の「香り」がふっとしたなら、人は首をかしげて靴底を覗きこみ、いつ犬の「落とし物」を踏んでしまったのかと思い悩むことだろう。

でも上海では誰も靴底を見たりはしない。

それどころか上海の人々は、上海の臭豆腐は北京や台湾や香港のそれよりも数段おいしいね、と得意げだ。その姿はまるでニューヨークとシカゴで競い合うピザのお味のようなもの。

臭豆腐を愛してやまない上海では、悪臭を放てば放つほど、良いものとされている。

上海のあらゆる臭豆腐のなかでも、Hao Youの、発酵したアマランサスの茎をつけ合わせた、自家製の蒸し臭豆腐(RMB 454)は最強級。鼻がまがるとはこのことだ。

しかし人々はこれを激賞する。

臭豆腐
豆腐を1週間も発酵させるとこうなる さあ召し上がれ。 新種のブルーチーズだと思えばいい

テーブルで夕飯を食べているXu Xianhaiaさんは、この豆腐が目当てでこの店に来たと言う。 「上海で蒸し臭豆腐を見つけるのは難しいんですよ。ここのは絶品だ」と満足げだ。

Hao Youは、农家菜(non jia cai)という上海や近隣の江蘇州、浙江省などのふるさと料理が専門だ。よって、上海の路上でみかける様々な種類の臭豆腐を味わうことができる。

ここにいる人々はみなテーブルに座って臭豆腐にむしゃぶりついている。もっとも人気が高いのは、揚げ饅頭付き揚げ臭豆腐。Xuさんが指摘するとおり、Hao Yuはどこにでもある揚げ臭豆腐ではなく、蒸し臭豆腐に焦点を当てたところが高名を馳せた理由だ。

蒸すことにより臭豆腐は、質感と刺激を保ったまま、また別のレベルへと引き上げられる。

 Hao Youでは臭豆腐に、ニンニク、醤油、そして強烈なTien Sinチリを少しだけかけるので、そのゾンビ化した豆腐の前では、咳き込まずに息をすることは完全に不可能となる。

臭豆腐ができるまで

ウエイトレスの王さんによれば、Hao Youは上海人のオーナーが持つ秘伝のレシピを使って、豆腐を何週間も塩水に漬けると言う。

レシピは教えてもらえないが、塩水に浸けるのが効くというのは想像に難くない。

2.5センチはあった筈の豆腐が、一口サイズのフォトフレームのようになり、青と黒に変色している。白いままなのは、赤い油に覆われる発酵過程で上側になっていた部分だけだ。

臭いはもちろん強烈で、味は最高だ。

さらに臭いを増幅するため、発酵させた塩漬けアマランサスの茎(霉苋菜梗)を付け合わせる。

同席者であったYao Yizhongさんが、この塩漬け発酵食品の食べ方を見せてくれた。茎をくわえ、野菜の髄の部分を吸い上げ、残った繊維質の筋はペっと吐き捨てるのだ。

彼はトリビアも授けてくれた。 「アマランサスの茎は、生では食べることができないんだ。賢人が塩漬けにし、腐らせてみたら、中身が吸い上げられることに気がついたのさ。

貧乏な家ではみなこれを食べているね。 発酵アマランサスはとにかくしょっぱいので、このぐらいの長さがあれば、」と言いながら彼は親指と人差し指を5センチほど広げてみせ、「おかゆをどんぶり一杯食べられるんだ」と続けた。

臭豆腐にアマランサスを付け合わせるのは、紹興市ならでは組み合わせである。

これをやっつける一番いい方法は、おそらくビールだろう。そしてできれば一人で食べたいもの。臭いにしてやられて思わず泣いてしまうかもしれないからだ。

それでは、いただくことにする。 外側の辛いチリが、ブルーチーズのように舌を麻痺させたらしい。 内側は、茹で卵のような質感でやわらかく、少しだけ汁けある。臭いから予想される悪意に満ちた味ではなかった。

この地獄のような臭いでも、癖になる可能性があるのが不思議だ。

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ジョアン・ヤオは上海在住のライター兼編集者。
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